- 2015-5-25
- スピリチュアル
今回は、これまで紹介してきた入門編のまとめとしてスピリチュアルとオカルトの違いや同じ部分などをまとめて行きたいと思います。
正直、わざわざ基本的なことを押さえて置かなくても良いような気もするのですが、最低限の知識が無いと悪い人に騙される可能性が飛躍的に高くなります。
スピリチュアルを「信じる、信じない」は別にしても、自分で考えるためにも必要と思われる基礎知識を紹介しています。
過去の入門編は、下記の通りです。
入門編1スピリチュアルとは?
入門編2オカルトとは?
入門編3魔術とは?
あと、入門編は今回でラストの予定です。
目次
スピリチュアルとオカルト
世間一般的に言うと、オカルトよりもスピリチュアルの方がメジャーな存在のようです。
しかし、スピリチュアルと言われているものの中にはオカルトに属するものも多く、スピリチュアルとオカルトの境界線は非常にあいまいなものになっています。
そもそも、スピリチュアルは自然(宇宙を含む)回帰を目指す「思想」ですし、オカルトはマイナーな「知識や学問」のことです。
ぜんぜん違うジャンルですから、厳密にスピリチュアルとオカルトを一緒にして説明することは難しいのですが、根本的な違いを知っておくと、それぞれの世界観を理解するのに役立ちます。
スピリチュアルとオカルトの共通点
スピリチュアルとオカルトの共通点は意外と多くありません。
共通しているのは「汎神論」と言う考え方くらいで細かい部分での共通点はほとんどありません。
「汎神論」とは、一神教や多神教に関わらず多くの宗教に共通する概念で、簡単に言うと「宇宙そのものが神であり、宇宙の一部である人間も神の一部である」という考え方のことです。
これ以外の部分については、スピリチュアルとオカルトではほとんど共通していません。
スピリチュアルについて
(写真出典:http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20091110_327800.html)
スピリチュアルは、「スピリチュアルとは」でも解説しましたがニューエイジ運動の影響を強く受けている思想です。
科学技術に代表されるような、科学文明や物質文明に対してとても批判的で、「自然(宇宙を含む)に帰ろう」的な想いが中心にあります。
そのため、スピリチュアル系の人たちは、「宇宙と一つになる」という共通点はあるものの、その方法や世界観はかなり違っています。
そのため、「守護霊に守られている」という人がいる一方で「宇宙人と交信できる」という人もいますし、あの世の概念についても「あの世には階級がある」という人がいる一方で「すべては同一のものに帰っていくだけ」という人もいます。
ここではスピリチュアルの特徴について紹介して行きます。
ヒーリングが得意
オカルトに比べてヒーリングを得意としています。
基本的にオカルトでは悪霊などは退治する対象として殺してしまうワケですが、スピリチュアルでは原因を探りながら解決を目指します。
オカルトが外科手術だとしたらスピリチュアルは癒しの漢方というイメージです。
善人が多い
スピリチュアルは「世界をより良くしたい」という想いを持った人が多く、より多くの人に良い影響を与えることを目的にしている人が多い傾向があります。
もちろん、悪人がいないと言うことでは無いと思いますが、積極的に他者と関わろうとする人が多いようです。
理論よりも体験を重視
細かい理論や理屈よりも、「自分がどのように世界を感じたか?」という体験や経験が重視されます。そのため、自分の持っている技術について詳しい説明が出来ない人が多い傾向にあります。
仕事になるのが早い
上記の通り理屈や理論よりも体験が重要ですから、ヒーラーや占い師などプロとしてお金をいただくまでの修業期間が短くて済みます。もちろん、スピリチュアルを極めようとすれば時間はかかりますが、数カ月程度の訓練で占い師やヒーラーになれる講座もあります。
スピリチュアルの注意点
スピリチュアルを理解するうえで注意しておかなければならないのは、「理論や理屈」は重要では無く、自分の「体験や経験」を重視していると言う点です。
スピリチュアルの人たちは「世界をより良くしたい」という想いを持った人が多く、より多くの人に良い影響を与えることを目的にしている人が多い傾向があります。
そのため、とても明るくポジティブな人が多く、一緒にいると楽しい人が多いのですが、理論的な説明が出来ないことが多く、また、2012年に流行したマヤ歴による世界終焉の予言のような荒唐無稽な話を信じやすい傾向にあります。
オカルト(魔術)について
(画像出典:http://blogs.yahoo.co.jp/pkrgn012/7147890.html)
オカルトとは、その時代に合わない知識や学問を指す言葉です。
オカルトと言っても、さまざまな流派や考え方があるので、一つにまとめて解説するのは乱暴になってしまうのですが、基本的には「この世界がどのような仕組みになっているのか?」を探求している人が多く、その点では科学に似ています。
しかし、科学と大きく違うのは、分かりやすいデータや数値になりにくい「体験」や「感覚」などを内包している点です。
そのため、自分の「体験や経験」を重視するスピリチュアルに近いような気もしますが、オカルトは「学問」を自負している人が多く、科学のように「理論や理屈」を重視する人が多いと言う点でスピリチュアルと大きく異なります。
ここでは、オカルトの中でも、特に魔術の特徴について紹介して行きます。
学者タイプの人が多い
オカルトの目的は「世界を理解する」ことです。そのため、魔術などの実践よりも研究自体に喜びを感じる人が多く、学者タイプの人が多いです。そのため、知性が高く知識も豊富な人が多いです。
他者との交流が少ない
他者とのかかわり合いの多いスピリチュアルと違い、あくまでも「自分が」世界を理解することにしか興味が無い人が多いので、あまり他者との交流は多くありません。コミュニケーションが下手な人も多いように感じます。
仕事になるのが遅い
難解な理論を習得することにも時間がかかりますが、さらに、仕事にするには地味な練習や訓練も多く仕事になるまでかなりの時間がかかります。あまりにも時間がかかるので途中で挫折する人も少なくありません。
オカルトの注意点
スピリチュアルに比べて学問的と言っても、個人の体験や感覚を重視しているので、万人が理解できる内容になっているワケではありません。
そのため、オカルトが必ずしも正しいというわけではありません。あくまでも、自分で判断する知性が求められます。
また、理論が難解すぎるという問題もあります。キリスト教の知識はもちろん、語学の知識が無いと読めない書籍も多いため勉強するのも一苦労だと思います。
これはスピリチュアル?それともオカルト?
(画像出典:https://twitter.com/omosironow)
本来、スピリチュアルとオカルトは世界観もかなり違っているのですが、相互に影響を与え合っているので良く分からなくなっている部分があります。
そこで、いくつか例をだしてスピリチュアルとオカルトの違いを紹介して行きます。
ここで紹介しているのは「絶対これはオカルトだ!」と言うようなものではありません。両者ともに影響を与え合っているので不可分な領域も多いのですが、「あえて分けるならこっち」と言う程度のものです。
幽体離脱
幽体離脱は本来オカルトに属する考え方です。魔術には、アストラル体投射という結構有名な技法があります。
守護霊
守護霊はスピリチュアルに属する考え方です。そもそも、オカルトでは天使や悪魔という存在は認めますが、それは自分の中にいるのであって、外部に独立して存在するものとして認識していません。
過去世
過去世もスピリチュアルの概念です。オカルトは西洋キリスト教の影響が強いため輪廻転生という概念がありません。
パワーストーン
パワーストーンもスピリチュアル特有の考え方です。
オカルトの技術としてパワーストーンのエネルギーが介在すると言う話は聞きません。
お祓い
スピリチュアルにもオカルトにもお祓いはあります。
ただし、スピリチュアルが本人の抵抗力を増す方向で処置するのに対して、オカルトは悪霊を退治するという外科的処置を行うという違いがあります。
まとめ
(写真出典:http://www.arata-web.jp/archives/1404/)
過去の記事「魔術とは」でも紹介していますが、スピリチュアルの技法の中にもアロマや占いなど魔女術(ウィッチクラフト)の影響を強く受けているジャンルもあり、簡単にスピリチュアルとオカルトを分けることは難しいです。
しかし、スピリチュアルとオカルトは、そもそも目指している方向が全然違うことを知っておくと、関連の書籍や情報に触れる際に役立つと思います。
特に、この手の話は玉石混合ですから、自分で考えて判断するためにも最低限の知識を知っておくことは有益だと思います。